
福井県大野市の里芋は、その豊かな風味と食感が魅力で、多くの人々に愛されています。
大野里芋と上庄里芋の違いについて、詳しく解説いたします。
上庄里芋と大野里芋の違い
大野市内の里芋は、大きく分けて「上庄里芋」と「大野里芋」の2種類があります。
どちらも大野市産ですが、栽培される地域や品種、そして食感に特徴があります。
- 上庄里芋
- 上庄里芋は、大野市上庄地区で栽培されるブランド里芋です。
地理的表示(GI)保護制度に登録されており、その品質の高さが認められています。
身が締まっており、固めでホクホクとした食感が特徴です。他の地域の里芋との大きな違いは、
その”もっちり”とした食感です。でんぷん質が多いため、煮込んでも煮崩れしません。
- 大野里芋
- 大野里芋は、富田・蕨生地区など、大野市全域で栽培されています。
名水百選に選ばれている白山水系の伏流水が豊富で、盆地の気候条件が、大野里芋の美味しさを育んでいます。
ねっとりとした食感が特徴で、料理人からも愛される確かな品質が魅力です。
大野市は、福井県の市町村では最大の土地の広さがあり、県内随一の里芋の産地です。周りを零峰白山を始めとする1000m級の山々に囲まれ、名水百選にも選ばれた清らかな水が流れる自然豊かな場所です。
この地域では里芋に適した水はけの良い土壌、日中の寒暖差が大きい、九頭竜湖から流れる豊かな水など、里芋にとって抜群の自然環境が揃い、毎年上質な里芋が収穫されます。
収穫の時期になると地元では毎日のように里芋が食卓に上がります。小ぶりながら身が引き締まり、ねっとりとした味わいは故郷大野の味として長い間愛され続けています。
普通の里芋は煮崩れしやすく、調理時に気を使うことが多いですが、大野の里芋は身の締りがよく、煮崩れしくいのが特徴です。これは奥越地方特有の土壌や気候などが里芋にとって良い環境となり、高品質の里芋が出来ます。皮がやわらかく、まろやかな甘みと粘りは他では中々味わえません。地元の人たちは煮っ転がしや田楽にして里芋を楽しんでいます。和食以外にもコロッケやグラタンなどの料理にしてもおいしいです。
大野の里芋の歴史は古く、何百年も昔から農家の超冬用の貯蔵食物として作られてきました。長い歴史を持つ大野の里芋は、毎年全国のテレビで紹介され、全国でも知名度が高い福井の名産になりました。日本テレビ系の「どっちの料理ショー」やNHKの「ためしてガッテン」などでおいしい食材として紹介されました。また県内外のレストランや料亭の料理で使われることも多く、全国の料理人の方々からも高い評価を受けています。
